数学|「連続m整数の積はmの倍数である」を利用できる証明|受講生の質問と東大「理三」合格講師の回答

「連続m整数の積はmの倍数である」を利用できる証明

~東大理三合格講師の質問回答シリーズ~

このシリーズは、当塾の基幹指導であるネット塾及びリアル塾の受講生からのご質問に当塾、東大理三合格講師や東大文一合格講師が回答したものの中からほんの一部を皆さんにも役立てていただく企画です。

当塾指導は、マンツーマンの初回指導における受験全教科の年間計画の策定で各自の状況に応じて、各自が学校で使用している、またはそれまで使用してきた問題集や参考書をできるだけ活かす形で計画を立てます。(これが最も受講生にとって効率的に実力をつけていける手段だからです)

その後、各自が使用する、その問題集や参考書についてわからない問題やわからない部分について全教科の質問回答指導、説明指導、添削指導を行っています。

したがって、質問回答している教材は、市販の問題集・参考書のほとんど、過去問に至っては全国のほとんどの大学の問題に及びます。

たった一日で数百という数の問題の質問回答がたまります。しかも、それは東大理三合格講師や東大理系・文系の上位合格層講師陣の回答です。

掲載できるのはごくごく一部ですが、上記事情から皆さんが使っている問題集や参考書であっても十分役立てていただけると思います。

是非、このシリーズから一つでも何かを得ていただければと思います。

 
 

受講生の質問

『全ての自然数nについてn(n+1)(2n+1)は6の倍数であることを示せ』という問題の解答で『n(n+1)(2n+1)=2n(n+1)(n+2)-3n(n+1)』という変形が出てきたが、どういう風に思いついたのか」

 
 

東大理三合格講師 江尻の回答

まず、変形に気づけなくても、n=6a、n=6a+1、n=6a+2・・・という風に「nを6で割った余りが何か」で場合分けして「n(n+1)(2n+1)」に代入すれば、時間はかかりますが解けますね。また、6の倍数であることを示すには、まず偶数であること、次に3の倍数であることを示せばよいので、先にn=2b、n=2b+1と場合分けして偶数であることを示し、次にn=3c、n=3c+1、n=3c+2と場合分けして3の倍数であることを示す、という手もあります。このように、余りによって分類して証明する基本的な手段があることを認識しておくのがまずは1番大事です。

本題のその変形についてですが、これは、「連続3整数の積は3の倍数である」ということを使おうという明確な目標をもって変形が行われています。(6の倍数であることを示すために、とりあえず3の倍数であることを示せばよさそうだ、と考えています。)「n(n+1)(n+2)」には、nとn+1という連続する2整数が入っているので、それに続くn+2をかけ合わせた「n(n+1)(n+2)」は3の倍数になります。これの最高次(3次)の係数は1ですが、示さなければならない「n(n+1)(2n+1)」の最高次の係数は2なので、n(n+1)(n+2)全体を2倍してあげると、よりn(n+1)(2n+1)に近づけられます。あとはその2n(n+1)(n+2)とn(n+1)(2n+1)の差を計算することで、「n(n+1)(2n+1)=2n(n+1)(n+2)-3n(n+1)」を導くことができます。これによって、n(n+1)という連続2整数の積の項も現れたので、めでたく「2×(3の倍数)-3×(2の倍数)」と変形できたことになり、6の倍数であることが示せます。

この変形しかできないというわけではなく、無限に変形はできます。例えばnとn+1にn-1を付け足して連続3整数の積にした「(n-1)n(n+1)」を使って変形すると「n(n+1)(2n+1)=2(n-1)n(n+1)+3n(n+1)」となりますが、この式の右辺は「2×(3の倍数)+3×(2の倍数)」となっているので、6の倍数であることを示しています。

このように式変形で証明するメリットは、場合分けしなくてよく、計算量も少なくて済むというメリットがありますが、自信をもって使うにはある程度慣れが必要なので、まずは余りによって分類する解法がしっかりとれることが大切です。

 
 

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当塾指導は冒頭で述べたように、市販のすべての問題集や参考書、教科書、過去問集を問わず受講生各自が使用している教材のどんな問題にも質問回答しています。

したがって、たった一日で数百という数の問題の質問回答がたまります。しかも、それは東大理三合格講師や東大理系・文系の上位合格層講師陣の回答です。

これを今後も皆さんにおすそ分けしていきます。

何か一つでも気づきを得られれれば儲けもの、という意識を忘れずに見ていってください。

一つの視点が得意不得意を一気に変えてしまう爆発力を持っているものもあります。

 

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